私の嫌いな10の人々

 

『私の嫌いな10の人々』 (中島義道さん著) を読みました。

 

図書館の「少し前のベストセラー」の棚にあった中で、ふと目に

留まったので。

 

こういう本はたいてい目次をさーっと見て、字の大きさとか

漢字の多さとかおおまかな内容とかを私なりに掴んで

借りるかどうか決めるのですが、この本は、目次でいきなり

私をぐさーーーーっと刺しました。

 

中島さんが嫌いなタイプの人というのがずらーーーっと

10タイプ書いてあるのですが、

「これって、ほとんど私やん」

と思ったからです。

 

(どこまで書いてよいかわかりませんが)

みんなの幸せを願っているし、けじめを大事にするし、

仕事に誇りをもってるし・・・。

 

私って、結構、みなさんにうっとうしがられる人間だったんだ・・・

と、かなりの衝撃を受けました。

中島さんが感じておられる嫌いな人にも関わらず、

本になって登場すると、それが勝手に「みんな」になって

しまうところが私の内面自己否定の現われですが・・・。

 

でも、読み始めると、これがなかなか逆説的な「哲学の

すすめ」に思えてきました。

 

あなたの持っている仕事への誇りは、誠のものか、まがい物か。

みんなの幸せを願えるほどの上から目線はいったいどこから

きてるんだ!

だいたい、「けじめ」の意味をわかってるのか!?

 

毒舌というより、内面吐露的表現と行動で、「そこまで言うかぁ」

とうんざりするような事がつらつらと書いてあります。

 

確かに、心優しく、人との対立が嫌な人にとっては読みづらい

内容かもしれませんが、私は引き込まれるように読んでしまいました。

中島さんとの共通点をあちこちにみつけてしまったから・・・。

(例えば・・・災害復興のための募金に興味がないところとか。)

 

読み終えた今。

 

保育園に、一人、あらゆることに「なんで?」とたずねる子がいます。

「きまりやから」

「きまりって何?」

「これだけはやっとかなあかん、ていうことや。」

「やっとかなあかんって何?」

「それをやっとかな、後で困る事が起きてくるものや。」

「困る事って何?」

・・・という感じです。

 

この会話。いつもやりとりしながら、

 

ほんまやなぁ。ほんまにやっとかなあかんのかなぁ。

私がしてほしいだけちゃうんかなぁ。

ほんまに後で困るんかなぁ。そんなん、そのときにならな

わからへんのんちゃうんかなぁ。

 

と思います。

 

ただ、中島さんがたぶんおっしゃっておられるのは、

自分の言っている事が誠がどうかの疑問を持ちながら

言葉を発せよ!ということではないかと思うのです。

 

自分の考え(保育園では保育士の誘導)が、絶対正しいとは

思うな!押し付けるな!という事ではないかと思うのです。

 

うーん。面白い!!